第1章 隠密行動
私は男に変装して、絵筆の師匠の元で修行させてもらってる。
もちろん期間限定だが、歌舞伎町で博覧会の間だけ。
それでも職人だから、厳しいけれど勉強になる。
師匠「おめぇーさん才能あるかもな」
杏「本当ですか?」
師匠「浮かれるじゃねーぞ、おめぇーさんは期間限定で俺が教えてるだけで終わったら元の家に帰る約束だからな」
眉間にシワを寄せて、腕を組み師匠はこう言うが私は家には帰りたくなかった。
家に帰れば、お見合いの毎日にうんざりする。
両親には『早く結婚相手見つけなさい』と言われてる。
師匠は腕時計に目をやり、顔を上げて私に言う。
師匠「おめぇーさんお昼買ってこい、何でもいいから」
杏「はい」
師匠からお金を預かって、私はお昼を買いに行った。
パンを二つと飲み物を二つ買って、師匠に渡して食べ終わった後に師匠がトイレに行くと言い何処かに行ってしまった。
私は椅子に腰掛けて、眠くなってきたので私は目を瞑り寝た。
頭の痛さに目を覚ますと、大勢の人が僕を見つめてる。
僕の横には何故か、パイプの棒が転がっていた。
黄色いヘルメットを被ったおっさんが僕に言う。
おっさん「大丈夫かい坊や?」
僕は立ち上がって、首を縦に振って何回か謝ってきたが何が起こったか分からない。
周りを見渡すとなんかのテントやら、建物が並んでる。
ここは何処? 僕は誰?
ウロウロしてると、一見ゴリラみたいな黒い洋服を着た髪型は立てている男の人がしゃがんで僕に話しかけてきた。
ゴリラ?みたいな男「坊や迷子かい?」
迷子なのだろうか? 僕は首を横に傾げて言う。
僕「おじさん誰?」
ゴリラ?「俺か? 俺は新選組近藤勇、歌舞伎町を守る警察だよ」
警察に頼ってみるのも手かも。
僕「名前思い出せないんです、ここが何処かも分からないんです」
近藤勇と名乗った男はしばらく、考えてから『着いておいで』と言ってついて行った先が『新選組屯所』と書かれた所。
聞いたことはあった、評判はあまり良くはない。
中に入ってみると、大きな屋敷で大広間にいくと見覚えのある広さで普段食事をしていた場所と類している。
近藤さんは適当にその辺に歩いてる人を、捕まえてここに全員呼んでくるように命じた。