第25章 それぞれの心
監禁室に入れられ、
落ち着きを取り戻した錦戸は、村上に言った
錦戸「独りにしてくれないか」
錦戸らしくなく、弱々しく言葉を絞りだした。
村上「それは、駄目だ」
村上は強く言いはなった。
錦戸「頼む...一人になりたいんや...」
静かに錦戸は俯いた。
その様子を見て、村上は優しく肩を叩き
村上「死のうとしてるやろ...」
村上の言葉に錦戸は目線を逸らした。
錦戸「…」
村上「アホなことすな、カッコつけやがって」
村上は、錦戸を強く見つめた。
錦戸「……頼む」
錦戸には静かに頭を下げた。
村上「悪いが却下や。死なれたら困る...」
村上は軽く錦戸の頭を叩いた。
錦戸「そんな嘘...」
錦戸は弱々しく言った。
村上「嘘やない!」
村上が大声で怒鳴った。
錦戸「……………」
村上「二度目の死が辛い言うたんは、お前やないか」
村上は強く錦戸に言った。
錦戸「………」
村上「分かってるなら止めて、俺らのとこで暴れてくれたほうがマシや。横も仕方なしに、お前をここに入れたんやと、俺は思うで...」
錦戸「…………」
何故だか錦戸の目から、涙が溢れていた。
村上「俺らは全部、分かってるよ...」
村上は、優しく肩を抱き続けた。
錦戸は初めて、仲間の前で大声で泣いた。
渋谷「亮をどうするつもりなん?」
渋谷は、安田と共に戻って来た横山に訪ねた。
横山「頭が冷えたら出す...。
ルールはルールやしな..」
冷たく吐いた。
安田「でも、あのままやったら
またすぐに理性なくなるで」
安田は心配そうに尋ねた。
渋谷「確かに、そやな....」
渋谷は横山を見ながら言った。
横山「まぁ2、3日は持つやろ、
それまでに何とかする....」
横山は冷たくみんなに述べた。
丸山「ゆうくん、どなんしたん?なんか変やで?」
丸山が心配そうに横山に近づきながら言った。
横山「.........」
横山は言葉もなく丸山を見つめ
渋谷「横には考えがあるんやろ」
丸山の肩を叩きながら、渋谷は言った。
その言葉を静かに聞くと、横山は
横山「俺らの中におる裏切り者を、今から探す」
冷たく仲間に告げた。