• テキストサイズ

恋人たちの日常 短編 【テニプリ】

第25章 恋人同士の日常 ~鳳 長太郎 編~


今日も、日課になったメールチェック。


香の名前が表示されているのを確認出来ただけで、俺の気持ちは満たされたものになる。


部活動で、中々会えない。俺だって、可愛い彼女と一緒に居たいと思うし、声だって聞きたい。


それでも、今頑張れるのは……彼女からのメールの存在。想像以上に、俺を励ましてくれて……離れてても、繋がっているんだって感じられるんだ。


なのに……今日のメールチェックには、彼女からのメール表示はなかった。



たったそれだけのことなのに……自覚ある。血の気が引いたと言うか……今の俺の顔色は、きっと良くない。


彼女とは同じクラス。今日は、ジャンケンで負けた彼女とクラスメイトの飯岡と言う男子と先生の手伝いに駆り出されている。


飯岡は……結構、女好きで……以前、忍足先輩の彼女にチョッカイを出して…忍足先輩を本気で……そんなことを考えたら、どんどん悪い方向に……。


部室を早々に出て、彼女に電話をかけようとした時……隠れて俺を驚かせようとしている彼女の姿が、ガラス越しに見えた。


それに気付けば……過剰な疲れと、ホッとした気持ちが入り乱れた。


鳳『香!!』


驚かされてあげた方がいいのかとか……そんな余裕なんかなくて、彼女の名前を口にしていた。


藤堂『…気付いてたの?』


鳳『うん。ここからだと、ガラス越しに見えるから。』


彼女は、笑いながら残念そうだった。


鳳『手伝いはどうだった?』


藤堂『さっき終わったところ。だから、長太郎くんを待っていれば会えるかなって。』


鳳『何も……なかった?』


藤堂『先生も、ずっと一緒だったから。あ、でも……一緒に帰ろうって誘われたかな。私は、長太郎くんのことしか考えてなくて……護衛なら大丈夫だって断っちゃった。』


そう言われたら……少々、彼女は天真爛漫と言うか……相手の思惑なんかに囚われないと言うか…。


藤堂『一緒に帰ろう?』


彼女の柔らかい手が俺の手を取っては、引っ張って行こうとする。


彼女は、俺を……俺だけを必要だと思ってくれている。そんな彼女の気持ちに触れて……満たされた気持ちになれた。
/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp