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恋人たちの日常 短編 【テニプリ】

第24章 恋人同士の日常 ~黒羽 春風 編~


この俺に彼女なんて……柄にもないことは分かってんだ。でも、仲間と一緒にいる時とは違った心地よさがあってさ……。


何せ、可愛くて仕方無ねぇんだよな…。って、やっぱり柄にもねぇな…。


今だって、ちょっと力いれたら簡単に潰れるんじゃねぇかってちっこい手を掴んで……。



黒羽『なぁ、本当にいいのか?』


藤堂『フフ……気にし過ぎですよ、春風さん。私は、春風さんを見ているだけで十分なんですから。』



テニスの練習が急遽入り、今日のデートはお流れ……でも、見ているだけでいいからってあんまり熱心に言うから連れていくことにしたんだ。


黒羽『今日は悪かったな。』


藤堂『全然悪いことなんてありませんから。』


ハァッ……こいつは、いつだってふて腐れた表情一つもなく俺の事情を優先してくれるから頭が上がらねぇ。



黒羽『でも、次はちゃんと埋め合わせするからな。』



藤堂『はい。期待して待ってますね。』



あ~……何か…、今の俺……絶対、頭の上にハートが浮かんでる気がする。


それに、もう……あんなに気恥ずかしかったのに、今では結構、俺って幸福者なんじゃないかまで思っていたりする。


病んでるな…俺。


藤堂『何を考えているんですか?』



じぃ~っと、俺の顔を見ている香に、照れ隠しに足早になる。


小さな笑い声が、背後から聞こえる。きっと、俺の考えなんてお見通しなんだろ。



黒羽『なぁ、香。』


藤堂『何ですか?』


黒羽『お前って、本当に可愛いヤツだな。』



あっけらかんと言ってしまった俺に、真っ赤になってこの世界の幸せを一人占めしたかのような、いい笑顔を見せてくれた。



黒羽『ありがとな?俺を選んでくれて。ずっと、おまえだけを大事にする。約束する!おわっっ!!?』


いきなり抱き付かれ、驚く俺に………。


藤堂『春風さん……だ~い好き!!!』



場所はテニスコート前………。みんなの唖然とした顔……。


葵『…すみません、バネさん。折角のデート……。』


どうやら、急遽、練習が入ったので嫌がらせだと思われたようだった。ごめんよ……みんな。
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