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恋人たちの日常 短編 【テニプリ】

第13章 恋人同士の日常 ~忍足 侑士 編~


今月に入って何度目かの溜め息。3年の教室に走り込んできたのは、ジローの彼女。


内容は、全く同じのモノ。なぁ……何でなん?何で俺の姫さん拐かすんや。


ま、ジローの彼女だけに関わらず姫さんの行動は色んな所から耳に入る。それは有り難いんやで。



けど、いい加減……俺にバレへんってあわよくば?そういう甘い考え……持つん止めてくれんやろか。



あ~、聞こえてきた。



マシンガントークの男の声と、困ったような口調の姫さんの声。さぁ……釘指しに行こか。


背後から彼女の首に腕を回す。既に、男の方は顔面蒼白状態。


忍足『そろそろ俺の姫さん、返してもらうで。香…よう頑張ったなぁ、えらいで?(チュッ)』


彼女は俺の腕を両手で掴み……。今、姫さんの表情…見んでも分かる。


安堵したものと、嬉しそうなもの……ホンマ、俺の姫さんには彼氏冥利につかせてもろうてるわ。


忍足『なぁ、自分。折角やから言うとくけど……。』



相手の男、最早この世の終わりのような顔をしてる。



忍足『【次】はないからなぁ。』


頷き人形のように青い顔をしたまま、何度も頷いてる。そんな顔するくらいなら、最初からやらんかったらええのに…。


逃げていく後ろ姿を複雑な気持ちで見ていた。



忍足『香。』


名前を呼んだと同時に、身を翻しては俺に抱き付いてきた。


体は小刻みに震えていて……姫さん、メッチャ人見知り激しいことを思い出した。


ま、責めても仕方無いし……折角やから、ええ思いさせてもろとこ。


忍足『抱き心地……ええなぁ。』


腕の中でジタバタと慌て出したけど、お構い無しや。


忍足『大人しゅう抱き締められとき。よう頑張ったご褒美や。それに……俺が逃がすわけないやろ?』








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