第2章 スイートルーム
「私と同い年なのに
私より大人っぽいというか…」
「あたりまえだろ」
ふっと笑っていた
まぁ、こんな裏もある誠二くんだけど
優しいってことにはかわりないかな、
「ありがとうございます」
「いえいえ、では、そろそろ帰りますね
お大事に」
誠二くんは手早く荷物をまとめて
でていこうとした
「あの…」
「どうかしました?」
聞いておきたいことがある…
「…もし、私が財前の…」
"本当の娘でなかったら
こんな優しい笑顔は向けてくれませんでしたか?"
言葉が喉を通らない
言うのが怖い
「いえ、なんでもないです」
「そうですか?」
「はい…本当にありがとうございました
気をつけて帰ってください」
「はい、次は学校で、かな」
そういってでていった。
誰もいなくなった部屋に
孤独であることに寂しくなった
「渋谷、誠二くん…」
まさか、ね
懐かしさとともに
昔の記憶に重なる
どうして、こんなに胸がうるさいの?