第1章 下校
私の彼氏はすごくかわいい
ふわっとした色素の薄いくせ毛、クリッとした目に、白くてハリのある肌、つやつやの唇
美少女といっても過言ではない彼
天使と呼ばれていることも多々ある彼、桜庭奏
確かに、かわいいところもある
でも、でも!みんなは知らないんだ。彼の裏の顔を…悪魔で鬼畜なその姿を…
「ありがとうございましたっ!さようならっ!」
みんなで終礼をして、監督とコーチに挨拶をして部活を終えると同時にテニス部の後輩、もとい彼氏奏が駆け寄ってくる
「せんぱいっ!帰りましょ?」
クリッとした目を輝かせて小首を傾げるその姿は本当にかわいい
裏に変態の輝きを伴っていなければの話だが
「ちょっと待っててね」
と彼に断ってトイレへ駆け込む
一緒に持って入った小さめのポーチを眺めて深く深く息を吐く春香