• テキストサイズ

【CDC企画】ハイキュー短編集

第3章 【岩泉 一】こちらはビター仕様になっております



あれは1か月前のこと。
私が教室に戻ろうとすると、廊下に及川と岩泉。そして、後輩の女の子が立っていた。

「及川先輩、岩泉先輩。これ作ったんですけど、良かったら食べてください!」

彼女が差し出したのはクッキー。可愛くラッピングされた、可愛らしいクッキー。
それを嬉しそうに受け取った岩泉と目が合った。

私はそんな岩泉と一緒に教室に入り、岩泉の席の前に座った。

「へぇ。岩泉って意外とモテるんだね」

「おい、どういう意味だよっ!」

岩泉はそう言って、クッキーを口に持って行った。
うまい。そう言って、もう一つクッキーを取り出して私の方へ差し出した。

「お前も食う?」

「・・いいよ。せっかく岩泉のために作ってくれたやつじゃん?」

私が断ると、岩泉はハハっとそのクッキーを眺めた。

「まぁ、及川のついでだろ?」

あいつのどこがいいんだか。とため息をつきながら、口の中にクッキーを放り込んだ。

「岩泉って、お菓子とか甘いもの好きなの?」

「ん?まぁ、嫌いじゃねぇよ?それに、手作りのお菓子をもらって喜ばない男はいないだろ?」

「そんなもん?」

「そんなもん」

岩泉が美味しそうに食べるクッキーを見つめながら、なんだかモヤモヤする気持ちを誤魔化そうとおちゃらけて見せた。



/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp