第3章 悪くないよ

真っ白な病院に真っ黒な僕。
いつまでここにいればいいんだろう。
黙って天井を見つめるんだ。
そこに、なにか映らないかと思いながら。

僕を見に来る怪物はみんな顔がグチャグチャで、
僕は無表情でそれを見る。
もう慣れた。

毎日行う大嫌いな診察。
僕を見ないで。
僕を調べないで。
僕を知らないで。

僕はドコモワルクナイ

やめてよ
僕を見ないでよ
そんな小さいカメラで何が見えんだよ
もう嫌だよ
僕の中を見ないでよ
そんなレントゲン(もん)で僕の何がわかんだよ

機械を持って僕に近づかないで！

ぐったりと横たわるベッドで
頭に響くのは届かないナースコール
「病院食」と出されるのは真っ赤な毒リンゴ
「薬」は、甘いだけのアメ
病気は悪化するだけだ

最初は平和だったよ

やめろよ
俺を見んなよ
そんな小さいカメラで何が見えんだよ
もう嫌いだ
俺の中を見んなよ
そんなレントゲン(もん)で俺の何がわかんだよ

機械を持って俺に近づくなよ！


俺以外みんないなくなれ