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お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様

第1章 お姉ちゃんと一緒


「」
 ご機嫌に敦君はあたしの名前を呼ぶ。
 今日は手つなぎペアでの、初めての遠足だ。
 敦君は大きいから、一番後ろをゆっくり歩く。
「今日はたーくさんお菓子持ってきたしっ」
「お菓子は300円までだよ?」
「うんっ、一番安いお店で買ったんだ~」
「へえ~、あたしはお店の試作品のクッキーだよ」
「食べるしっ」
「うんっ、あげるね!」
 ピョンピョン隣で敦君は飛び跳ねるのだけど、飛び跳ねるとあたしの背丈に届いてしまいそうだ。
「敦君は、好きなことなあに?」
「お菓子を食べること~」
「スポーツとかしないの?」
「嫌い、オレがやったら勝っちゃうから、つまんないし。みんな不満がるし」
 なるほど。 
 確かに同世代相手だと敦君は強すぎて、周りがやる気なくしちゃうかもしれないなあ。だってこの体格だもの。
「オレは何も悪くないのに」
「そうだね」
「オレは運動するより、のんび~りしてるほうが好きだよ~。あ、歌は嫌い。オレ音痴なの」
 くすくすとあたしは笑う。
 確かにのんびり屋の敦君は、お歌のテンポも遅そうだ。


「うわああ~おいしそう!」
 敦君はあたしのお弁当とお菓子を見た瞬間いつになく大きな声を上げた。
 あたしのお母さんたちは、料理全般が得意だからお弁当はとても豪華だ。だし巻きだってすごくおいしい。
 敦君のお弁当だって、色とりどりでおいしそうだけど、人のお弁当がおいしそうに見えるんだよね~。
「お弁当交換する?」
「うんっ」
 勢い良く頷いて、敦君は下手くそなお話の持ち方のままがっつく。
「お米がお口の周りについてるよ」
「ん」
「ん?」
「とって?」
 かわいいなあ、やっぱりまだ小さい子供だよね。
 あたしはナプキンで敦君の口元を拭いてあげる。
「お姉ちゃんも」
「え?」
「ついてるよ~お米」
「そう?」
 あたしが自分でとろうとした時、敦君の長い手があたしに伸びた。
 そしてそのままあたしのほほのお米を取ってペロリとたべた。
「えへへ~、間接キス」
 どこで覚えたのかおませな言葉を言うから、あたしは真っ赤になってしまった。
「あーまた紫原が6年生に手ーだしてるー」
 その声であたしたちに注目が集まって、あたしはさらに赤くなる。
「いいんだしっ、結婚するから」
 そこで始まるは大爆笑。
 当時、だれも本気にしてなかった。
 ただ一人、敦君を除いて。
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