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お姉ちゃん大好き(黒子紫原ショタ夢)ライバルは赤司様

第4章 番外編 バレンタイン小1編


 敦君と征十郎君にチョコレートを作った。
 ブルーベリーのクマさんチョコレートとストロベリーのねこさんのチョコレート。
 喜んでくれるかな?
 わくわくしながら学校に向かう。
 と、目の前に人だかり。
「赤司様ぁあああ」
「チョコレートもらってくださいっ」
 どうやら征十郎君のファンの子らしい、高そうなチョコばっか……。
 あたしのじゃ、しょぼいかなあ。
 敦君も、ちょくちょくもらってるし。
 渡すの辞めようかな?
 そう迷ってくるとクンクンと鼻を鳴らしながら敦君がやってきた。
「おね~ちゃんからチョコのにおいするし」
「敦君、チョコたくさんもらったね」
「赤ちんほどじゃね~し。あれはもう別世界だね~」
 紙袋何個だったっけ、と敦君はつぶやく。
「おね~ちゃんはくんないの?」
「え?」
「ちんの手作りチョコ、たべたぁい」
「あるけど……」
「けど?」
「しょぼいし……」
「そんなことないよ」
「うわっ赤ちん」
 どこからか、征十郎君もやってきた。
「どんな高級チョコより、大好きな人の手作りさ」
「あーオレのセリフ!!!」
「いいだろう、同じことを思っていたんだから」
「むー……赤ちんのばかちんっ」
「……ほぉ」
 バチバチと火花を向け合う2人に、慌ててあたしはチョコを取り出した。
 とたん、2人の表情がほころぶ。
 敦君には紫の袋を、征十郎君には赤い袋を、渡す。
「わー……開けていい!?」
「敦君、手を洗ってからね」
「はぁい」
 敦君は素直に手を洗い、それを征十郎君もまねる。
 そしてゆっくりと包みをほどいて、なかを見る。
「うわあああああ」
「すごくおいしそうですね」
「うんっ、お店のみたいっ」
「……そんなことは」
「さすが洋菓子店の娘だね~」
 すでに敦君は食べ始めている。
「おいしい~」
「……本当だ」
 2人は無言でチョコを頬張る。うん、頑張って作ったかいがあった
「手見せて~」
「? はい」
「よかった、やけども怪我もないし」
 なんてかわいいことを心配してくれるんだろう。敦君は。
 いい子いい子。そう思って撫でると敦君も笑う。
「ホワイトデー楽しみにしててね~」
「オレのも、もらってくださいね」
 無邪気に笑う2人に、なごみながら、その日は本当に幸せな気分に包まれて終わった。
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