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【ハイキュー短編集】俺達はまだ若い

第15章 【春】赤葦京治


春休みが開けた


桜咲く春
風にひらひらと舞う桜を眺めながらいつも見ていた校門を久しぶりに通る。
暖かな風が私の頬を撫でとても清々しい気持ちになった。







これから2年生になるんだ!



1年から2年に上がるにあたってクラス替えがある。人数が多くて知っている人、知らない人誰となるがよく分らないが、不安でたまらない。
でも、楽しみ。


掲示板に書いてある自分の組、名前を探す。

「あった ! 2年6組か....!!」



私はウキウキしながら真新しい上履きをはき
階段を駆け上がった。
そして、自分のクラスのドアを勢い良く開け


「一番のり〜!!」

と大声で叫んだ
すると、




「朝から元気だね、。おはよう」

と窓側から声が飛んできた。
思わず
「おは、よう!」
と返した。

目を細め睨むように声をする方を見た。
すると「怖いよ」とふんわりと笑う彼がいた。
そう、私が務めているバレー部の副部長、赤葦京治。私が好きな赤葦京治だ。



まさか彼と同じクラスになれるなんて.....


トクトクと高なる胸の鼓動を抑えることができない。顔が暑い。きっと自分は今、顔が赤いのだろう。





「久しぶりだね、会いたかった」
「え?!......!!!...私も会いた....かった」

彼がこんなことを言うなんて珍しすぎる。
人を間違えているのでは


と疑うぐらいに。


「赤葦、何かあったの?」
「なんで?」
「だって赤葦がこんなこと言うなんて珍しいからさ」
「別に思ったことをいっただけだよ」

更に恥ずかしい.........。


彼は顔を真っ赤に染めながら下を向く彼女の頭をポンポンっと撫でた。
愛おしそうに見つめながら。



「本当に可愛いね」
「は?!....え、へ??」
「動揺してるところも可愛い」



どうしたのか、この人は。
自分の言っていることがわかっているのだろうか。このめったに可愛いと言われない、この私が!!!

もう恥ずかしすぎて頭が爆発しそうだ。
心臓の鼓動が彼にも聞こえていないか、とても不安だ。きっとからかってるに違いない。


「ねぇ、まだ気づいてくれないの?」



顔を上げればすぐそこに彼の顔。
優しく」て、どこか切なげな彼の顔。














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