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sky memory

第3章 記憶の断片、笑顔の破片 金城白子 現代(学生時代有)切


「ねぇ、白子。別れよう」

とある日の日本。それは24時間俺たちが生活する中で四季が何度巡っただろうか
数え切れないほど回っただろう
そんな一時、君の口から驚愕する言葉が告げられた気がした
いつもの屋上での会話。暇がある時には暇つぶしに二人で来ている
日差しが心地いいそんな昼下がり、ぽつりと呟かれた彼女の言葉が信じられなくて思わず聞き返した

「え…?今、なんて?」

彼女は、いつもの笑顔のまま、しかしそれはいつもより苦しみが滲み出ているように見えた
けれど、それから彼女の口から出てくる言葉は幸せの欠片なんで微塵も感じられないものだった
まるで異世界にいるような、自分自身がここにいないような錯覚に陥る
お願いだから今の言葉が嘘であって欲しいと、その瞬間何度願っただろうか

「私、さ。白子の優しさが辛いの。それに何だかいつも心を見透かされているようで疲れた…それもあるけど貴方に飽きちゃった!」

ケロっとしたように最後まで明るく言う
それが本音であるなら今まで側にいた君は全て嘘と言う事になる
俺を騙して一体何がしたかったのか気持ちを弄ばれたのかもしれないと色んな思いが心を巡り巡った
心の中でガラス玉が砕け散る音がした
それは粉々になって周囲に飛び散る
キラキラと光りながら散らばって行く
光が壊れた瞬間だ、そして俺の心も

「何だよ…今の今まで俺のことを弄んでたのか!お前のその顔は全て演技か!そうだ、そうだろうな…」

苦い苦い表情をしながら、でも揺るぎない声で君は俺に言葉を紡ぐ
とんでもない顔つきになっているだろう俺を背にして足取りを軽くしてリズムを取っていく
俺は信じられないと思いながら睨むようにして見てしまう
離せなかった、他のものが目に入らなかった
それは、まだ琉璃を信じていたからだろうか

「あはは。当たり前のこと聞かないでよね。白子、勘いいんだからそれくらい分かるでしょ。しかし、楽しかったよ。あんたの色んな顔見るの…特に今が一番面白い」

振り向きもしないで淡々と俺に告げられる棘ある言葉
俺の怒りは頂点に達した
この時の俺は、子どもだった
振られたショックで周りが見えなくなってしまい君が言っていることを全て間に受けた

「貴様!!!」

急に彼女に食ってかかり
胸ぐらを掴んでいた
そんな彼女は不適に笑んだ
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