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渡り廊下で恋をした

第8章 ねぇ遠藤くん


「おはよ、遠藤くん」

「おはようございます、田中さん」

次の朝、電車を降りた私は、いつものように遠藤くんに挨拶する。

「寒いね、今日」

「そ、そうですね。おしるこ飲みます?」

「大丈夫、最近ちゃんと朝ごはん食べてるよ。遠藤くんに言われたからね」

「…そうですか」

私たちは学校に向かって一緒に歩く。

……。

なんとなく沈黙…。

「田中さん」

遠藤くんが口を開く。

「ん?」

「田中さんは少々ボンヤリしてるところがあるから忘れているかもしれませんが…今日は3日後です。あの約束の3日後です…」

「あぁその話ね、それは…」

「ちょ…! ちょっと待って!」

遠藤くんが慌てて私の話をさえぎる。

「ん?」

「朝にその話はちょっと…。だって朝ですよ? 一日の始まりですよ? 俺の一日が田中さんのその言葉で左右されるってわかります?」

「うーん…。じゃあ放課後言えばいいの?」

私は遠藤くんに尋ねる。

「は…はい…。ということはやっぱり…よくない返事なんでしょうか…」

「えっ? じゃあ言おうか?」

「えっえっ? いや、そんなっ、フライングっ。落ち着いて下さい、田中さん」

遠藤くんがアタフタする。

あんたが落ち着けば?

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