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渡り廊下で恋をした

第5章 ねぇどっち? 前編


遠藤くんのおかげで小テストはクリア出来た。

補習をまぬがれてよかった。

休み時間、自分の席で本を読んでいる遠藤くんに声をかける。

「遠藤くん」

遠藤くんは顔を上げない。

おい、シカトか。

「遠藤くん」

私は彼の机をバンッと叩く。

「わぁっ…! あ、あの、変に思われますよ。俺なんかと話していたら」

遠藤くんがコソコソ言う。

「シカトされるほうが不自然だし変に思われるって。
えっと、ありがとう。小テスト大丈夫だった」

私は勉強を教えてもらったお礼を言う。

「あ、いえ、そんな。礼を言われる筋合いはないと言うか、名乗るほどの者ではございません」

「遠藤くんでしょ? お礼に何かおごるよ。放課後、マックでも行く?」

「いやいやいや、そんな。そんなお礼されるほどのことじゃないですよ。ホントホント」

「そう? じゃあいいか…」

私は席から離れる。

ガタッ…バタン!

物音に振り返る。

遠藤くんが立ち上がり、椅子が後ろにひっくり返ってる。

「行きましょう…マクドナルド!」

大きな声で、遠藤くんが宣言する。

教室内の視線が集まる。

ちょっ…

変に思われるって!

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