第2章 一回試してからでもいいですよ
「お姉さん、飲みすぎ。キスしただけで酔いそう」
囁くように言うものだから、息が耳に掛かるものだから、足の爪先から頭の先にぞくぞくとした感覚が響く。
私が飲んでいるから感覚は曖昧だけれど、彼からアルコールの匂いはしなかった。
飲んでないと言っていたのは多分本当なんだろう。
「お酒、弱いの?」
「いえ。好きですよ」
「飲めばいいのに」
「言ったじゃないですか。女性を口説くのに飲んでるのは大人じゃないって」
「こんな場所でsexしようとしてるのは充分餓鬼臭いと思うけど?」
「それは同感ですけど、致し方無しってとこですかね」
彼は笑いながら私の胸に手を触れた。慣れた様子で触れていたので私は彼の腰に手を回して引き寄せる。
彼は少し吃驚した顔を見せたが手が止まることはなかった。
「何ですか?」
「ちょっと近くで顔みたかっただけ」
「そうですか」
「綺麗だよね」
「僕?」
「うん。整った顔」
彼は表情を変えることなく私の服の中に手を入れた。
その手は下着の隙間から私に直接触れる。
「まあ、その辺は両親に感謝してます」
「少しは否定しないの?」
「しませんよ。分かってますから」
「自分が綺麗だってこと?」
「そうです」
「変なの」