第3章 01
「__新入生代表、」
翌日、入学式がやって来た。私はどうやら新入生の中で入学試験の成績がトップだったらしく、何日か前に代表を頼まれた
別にこの程度は私の負担にならない。むしろ私のイメージが教師からも、同級生からも上がるだろう。だからほら、もうポーッとして私を見ている男の子が何人かいる。もちろん女の子も、教師も
たかが代表をやっただけなのにイメージが上がるなんて、これ以上の良いものなんて無いじゃない。そう思いながら私はゆっくりと一歩下がり、礼をして笑みを浮かべ、壇上を去った
▽▽▽▽▽▽
「目立ってたのぉ、」
「翔一君見てたの?恥ずかしいなぁ」
「あれで気づかん方がおかしいや、わしの目は節穴かいな」
「えーでも目細いからなぁ…見えてる?大丈夫ー?」
「見えとるわ!」
バシッと叩いてくる翔一に「人が猫被ってる状態だからってとことんいじってくんな、腹黒が。今度会うとき覚えときなさいよ」と思ってニッコリと笑顔を向けた
すると彼は「そんな可愛い笑顔すんなや~ほらみんな見とるで」と言って周りに目線をやり、それにつられて私も目線を他の人へ向けた
「わ、恥ずかしいな…」
そう心にも思っていないことを言いながら目線を下に向けると翔一は笑ってから「さ、帰ろか」と言って歩き出した
「可愛い女の子」の演じ方なんて知っている。とりあえず笑顔を意識して、自分の意見を言う時は控えめに、パステルカラーの物を身につけて、控えめに、か弱い女の子を意識すればいい
「ほんま猫みたいやなぁ」
「猫?三毛猫って可愛いよね」
イヤミを込めて笑みを浮かべて翔一の顔を見れば彼の表情からは何も読み取れなくて、人前じゃなければ脛を蹴っている所だったろう。人前だったこと感謝してろやサトリが
そう思いながら「ねぇ教科書重いから持って?」と笑みを浮かべて、パシリとして彼を使いながらこれから3年間歩くことになる帰路を歩み始めた