第7章 20825日目の歌
ひかり 「そろそろ帰ろうか。」
和也 「ん。」
立ち上がって、服に付いた芝生を払い落としていると、足元にバドミントンの羽根が降ってきた。
(ん?)
拾って顔を上げると、男の子がこちらに走ってくる。
その向こうで母親らしき人が「すみませーん!」と言ってる。
(何歳くらいかな。)
その頭をポンポンと軽く叩いて、
和也 「お母さん大事にしろよ(笑)」
と、男の子に羽根を渡してやる。
男の子は、首をかしげて「???」って顔しながらも、「ありがと。」と言って走って母親のところへ戻っていった。
横からの視線を感じてそちらを向くと、ひかりが意外そうな、でも嬉しそうな顔して見てた。
和也 「何か?(笑)」
ひかり 「んーん!(笑) さ、行こ。今日はカズのお母さんの誕生日だからケーキ買って行くんでしょ?早くしないと、ゲームする時間減るよ(笑)」
オレンジ色に色づき始めた西日を浴びながら、歩き出す。
大事な人と、大事な人を祝えるのって。
幸せ、って言うんだろーな。
月並みだけど(笑)