第14章 感情の入り交じった××
急に真面目なトーンで話す及川さん。
私の耳元で、私にしか聞こえない音量で。
一瞬体がこわばった。
そんなこと言われるとは思わなかった。
泣きそうになるのを堪える。
全てさらけ出したい気持ちを抑えて私は口を開いた。
『…ありがとうございます』ニコッ
口から出たのはこの一言だけ。笑顔は感謝の気持ち。
でも、まだ言えない。
"約束"を破った私がまだ楽になってはいけないと思うから。
及川さんは私を見たまま固まっている。
……え、こわい←
及「楓ちゃん、ごめんね」
『?なんでです……』
…………え?