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タイトルなし【黒子のバスケ/ギャグ】

第1章 少女01


「退院の手続きですが、うちの親が代理人になってるみたいです。支払いもしておきましたが領収書を後でご両親の方に送らせていただくと一応伝えておきます。」
「え、あ、うん。」

そうか、手続きなんて子どもができるわけない。察するに"私"の親はこの家にはおらず、どこか違う場所にいて、私は早々と一人暮らしをしているみたいだ。もしくはもっと別の事情があるとか・・・?

(家を漁れば少しは分かるかな。)

私もその家へ上がらせてもらう。
部屋は外形に劣らない少しの気品を持ち合わせたものだった。二人でリビングルームに行き、荷物を置く。
彼はふぅと息をつくと私の方を見つめた。目線がぶつかるあたりが彼の背の小ささを物語っている。

「ボクは家に帰ります。何かあったら電話してください。」
「わかりまー・・・あ、わかった。」
「本当に変ですね。」

その微動だに動かない彼の顔から、十分なくらいに疑いの視線を感じる。どくりと心臓が突然跳ね上がり、慌てたように首を横に振って笑うしかしなかった。
なぜだか、彼の目を見ていると全て見透かしているような気がしてくるのだ。


そんな彼に大丈夫と何と言ったことか。彼の心配(というか疑い)をやっとの思いで解くと、私は家ならざる自宅に、1人取り残されたのであった。

まだ、空は明るい。




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