夏風高校、恋愛相談or小説作成or漫画研究部、第一行進曲
第1章 せいしゅんのいちぺーじ
「もう、あれから7年ですね」
「レノ、何よ暗いわね。」
「レイカさんも笑顔が引きつってますよ?」
「しょうがないでしょ?これを見ると嫌でも由美のことを思い出すのよ。」
「レイカさんってば。もうすぐ結婚式なんですから、花嫁が泣いてちゃダメですよっ………ヒック……」
小さな教会の控え室にて私は高校時代のクラスメイトと共に少し色褪せたそれのページをめくる。
「あぁ、もう。私が泣いてたら意味ないや」
「本当よ。花嫁介添人の貴女が泣いちゃったら私もやりきれないじゃない……」
「………拓海(たくみ)とレイカさんが結婚するなんて意外です。」
「私も赤坂君と貴女が婚約まで行くなんて考えてもいなかったわ。」
「健太郎と私は昔から思いあってましたもん。」
「フフッ………」
卒業アルバムの背表紙を世話しなく指で擦りながらも過去の思い出に浸る。
まだ皆で笑いあっていたあの日……