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〜蒼い青い片想い〜

第13章 -新旧光対決 Part2-


「ダ・ブ・ル・ス・コ・アだぁ〜⁈」


高尾さんの声にハッと我に返り、
わたしは後ろを振り向いた。


「やばくないすか、桐皇!
誠凛がこれならウチはもっと
ボロ負…」


「なんでだ、アホ!」


「いて!」


テンション高く焦る高尾さんに
木村さんは立ち上がって振り返り、
高尾さんの頭を殴っていた。


「そう単純な話でもないがな。
緑間にとって、
火神は最悪に近い相性だった…」


大坪さんが主将らしく
静かにことばを放つ。


たしかに、
緑間先輩のプレイスタイルは
火神さんとは相性悪そう…。


「でも、次やる時は、
ウチは虹村さんだっているし、
次は絶対勝ちますよっ!
ね?虹村さんっ!」


「おう!
つぅか、おまえ、色々軽すぎ。
つぅか、楽観的なのな。」


高尾さんのことばに、
頷きながらも虹村先輩は
ツッコミを忘れなかった。


さすが虹村先輩!


わたしは何も言えないよ…。


「よかったな。」


「え?」


虹村先輩が
わたしに話し掛けてくる。


「青峰…勝ったじゃねーか。」


「…はい。」


嬉しくないわけじゃない。
もちろん、嬉しい。


でも…大ちゃんの表情が…
やっぱり心配だった。


「ほら!すみれ、帰るぞ!」


秀徳の皆さんが立ち上がり、
虹村先輩がわたしを立つように促した。


「あ!はい!…うわっ…キャッ…」

慌てて立ち上がり、
よろけそうになったわたしは
隣にいた宮地さんに
またぶつかってしまう。


「おわっ⁈大丈夫か?」


「は…はい!
さっきからすみませんっ!」


わたしが謝って
慌てて離れようとすると、
宮地さんが急に頭を撫でてくれる。


「おまえ、案外小っちぇのな?」


「そ…そんなこと!
宮地さんが大きすぎるんですー!」


わたしは遥か上にある
宮地さんの顔を見上げた。


宮地さんからしたら、
周りの人は皆小さいんだと思う…。


「おっ♪オレの名前、覚えたな♪
忘れんなよ?」


二カッと笑ってくれる宮地さん…。


最初の怖い印象が嘘のような
爽やかな笑顔だった。

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