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〜蒼い青い片想い〜

第9章 -熟睡できない部屋-


ガラッ…


「大ちゃん?いる?…寝てる?」


大ちゃんの部屋の窓は開いていたけど、
部屋の中は真っ暗だった。



なぜ大ちゃんの部屋の
窓を開けているのに、
大ちゃんがいるのかが
わからないのかというと、
いつも大ちゃんがわたしの部屋に
来るときにしているのと逆…




わたし自身が、
自分の部屋から大ちゃんの部屋へ、
窓をつたって
行こうとしているからだった。


わたしの部屋は
小さいバルコニースペースがあるので、
そこから大ちゃんの部屋の窓をつたえば、簡単にお互いの部屋を行き来できる。


小学校に入る前から…
あの誕生日の時だって、
大ちゃんは簡単に
わたしの部屋に来ていたし、
わたしも昔はこうやって
大ちゃんの部屋に遊びに行っていた。




でも…大ちゃんの部屋に
こうやって行くのは、
いつぶりだろう?


今日の大ちゃんを
ずっと1人にしておくのは、
どうしても心配だった。


午後、1人になって…
きっと大ちゃんも
色々考えちゃったと思う。


だから、せめて話相手でも…
一緒にいてあげたい…そう思った。


でも…大ちゃん、いないかな…?


「おじゃま…しまぁ…」


とりあえず、
大ちゃんの部屋に足を伸ばす。


大ちゃんの部屋の窓の下は、
大ちゃんのベッドなので、
着地?に失敗しても、
痛くはない……はずだった…が、



「きゃあっ‼︎」


足を伸ばして、
ベッドに降りようとしたが、
わたしの足が捉えたのは、
ベッドではなく、
大ちゃんの身体だったようで…


「おわっ⁈なんだっ⁈」


「きゃぁぁぁぁぁっ‼︎」


ボフッ……


見事に大ちゃんの上に
着地してしまったわたしは、
そのまま大ちゃんに
抱きついてしまった。


「は⁈すー⁈つか、うっせー‼︎」


すぐに大ちゃんに
口を押さえられてしまう。


「…っ〜〜〜ぃっ‼︎(いったーーーい‼︎)」


「はぁ⁈ったく…
いてぇのはこっちだっつーの!」


わたしはジタバタしていたけど、
大ちゃんは平然とわたしを抱き締め、
わたしの息が落ち着いたのがわかると、
口に当てていた手をはなしてくれた。


「随分大胆な夜這いだな♪」


「ち…ちがっ…‼︎」


ピッ…


大ちゃんは手元のリモコンで
部屋の電気を付けた。


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