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〜蒼い青い片想い〜

第4章 -黄色の先輩-


「決まりっスね♪」


わたしの表情から感じ取ったのか、
きーちゃんが少し優しい目をして、
わたしの頭をポンポンとした。


「んじゃ、特別席に招待するっス♪
いいっスよね?笠松先輩っ☆」


「あ⁈つぅか、おまえは今日は…」


特別席…⁇


「とりあえず、行くっスよ☆」


きーちゃんはわたしと笠松さんの
背中を押して歩き出した。


「おめぇ…黄瀬だけじゃ
試合観る気にならなかったのに、
黒子って奴が出るなら、観るんだな。」


笠松さんがボソッと言った。


「それ、オレも
さりげなく傷ついたっス〜。」


きーちゃんが泣きマネをする。


「だって、きーちゃんの試合、
女のコの声で、試合観るのに
集中できないんだもん。」


「…確かにな。」


「2人ともひどいっス〜‼︎」


泣き真似を続けるきーちゃんをよそに、
女のコが苦手という笠松さんと
いつのまにか少し話せるようになっていた。


きっとこの人は主将だから、
いつもきーちゃんの面倒を
見てるんだろうなぁ…。


体育館に着くと、
キュッキュッという
懐かしいバッシュの音が響いていた。


「笠松!そろそろ…
って、お…お…お嬢さん!」


「え…?」


お嬢さん…て…わたし?


「今日は貴方のために頑張ります!
あぁ…これは運命…」


体育館に入ると、
変な人が変なコトを言い出して、
わたしの手をギュッと握ってきた。


「森山!うっせぇ‼︎黙れっ‼︎」


笠松さんが変な人に飛び蹴りをした。


「チビ桃っち、気にしなくていいっすよ。」


「気にしてないけど…
笠松さんて大変だね。」


笠松さんはあの変な人を
飛び蹴りしたと思ったら、
少し離れたトコにいたうるさい人に
遠くからツッコミを入れていた。


「そうっスね〜。
でも、いつものコトっスよ?」


いつも…なのか。


「んじゃ、チビ桃っち、ココね♪
あ、監督!見学いいっすか?」


「えっ⁈ココ⁈ちょ…きーちゃん⁈」


気がついたらベンチに連れていかれ、
おなかの大きな監督の隣に座らされた。


「おい‼︎黄瀬‼︎何をふざけてるんだ⁈」


そ…そりゃそうなるよね…
きーちゃんてほんとバカ⁈


「オレの後輩なんでス‼︎
なので、久しぶりにオレの勇姿を
近くで見せたいなぁ…と思って♪」


はぁぁぁ…きーちゃん…


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