第1章 屋上で寝てた目つきの悪い人
はあ、もう!
なんであいつはいっつもいっつも!!
乃々花はため息をこぼすと静かに席に座りなおす。
そこに、横から見ていたアルミンに声をかけられる。
「乃々花、エレンだってああいう性格なだけで別に悪気はないんだと思うよ、許してあげてね。」
わかってる、わかってるけど…。
Nonameをバカにしたことに腹が立って仕方がない。
エレンはいいやつだ。けど、なんで分かってくんないかな。
悶々と考えてたら誰かに眉間をデコピンされた。
微かに感じた痛みの方に目を向けるとそこには呆れた顔をしていたミカサが目に入った。
ミカサはデコピンした手をゆっくりとおろすと静かに目を伏せる。
そして呆れたように呟く。
「乃々花、眉間にしわよってる。人相悪い。」
「お、大きなお世話だよ、。」
私はおでこをさすりながら席を立つ。
「あれっ、乃々花?午後の授業は!?」
後ろからアルミンの心配そうな声が聞こえたけど私は無視をして教室を出た。
「…行っちゃったね、…。」
「……」
「…エレンって不器用だよね、本当。」
「不器用さならあの子も負けてないと思う」
「…僕もそう思う。」
二人はバツが悪そうに目を合わせると少し笑い、自分の席に戻っていった。