• テキストサイズ

ツンデレと腹黒のそれから

第4章 仲良く…


社長室の前に着き、ドアをノックする。

するとドアが開き、そこにはクラウスさんが立っていた。


「待ってたよ。さぁ入って」

「失礼します」


クラウスさんは俺をソファーまで促し座らせる。


「すいません、急に来てしまって」

「いいんだよ」


机の下を探りながら言うクラウスさん。

何をしてるんだろう。

そして彼が取り出したのは、日本酒だった。


「今日の朝、会社に僕宛に届いてね。ひとりで飲むのも寂しいから一緒に飲まないかい?」





数十分後。


「貴夜、大丈夫か?」

「だーいじょうぶれすよー」


俺は完全に酔っていた。

あれから、愚痴を聞いて貰ってるうちに酒がどんどん進んで、この有り様だ。


「んもー、あいつなんか知るかって感じですよ」


コップに入った酒を一気に飲み干す。

クラウスさんは黙って、コップに酒を注いだ。


「でも俺も、悪いところあったんですよ。なのに俺が一方的に怒って………」


隼人の顔が浮かぶ。

あの言葉も、俺の事を想ってのことだったかも知れない。


「あぁー…これで別れることになったら、俺どうすれば……」


涙が溢れた。

コップをテーブルに置き、涙を拭う。


「すいません、こんな………ぅわ!?」


視界が傾き、ソファーの柔らかい感触が背中に伝わってきた。

目を開けると、クラウスさんの顔が映った。
/ 164ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp