第99章 【東峰 旭】U&I
あれから数週間。
私たちは何度もデートを重ねて、正式にお付き合いすることになった。
付き合ってすぐにご両親にも紹介してもらった。
「俺、ひろかと付き合ってること、誰にも秘密にしたくないから」
たまに見せるこの顔。
いつもは柔らかく朗らかな顔が、ゾクっと鳥肌が立つほどのオーラを出す顔つきに代わる。
きっと前の彼のこともあって、そう言っているのだろう。
私は年の差もあるし反対されるかとビクビクしていたが、旭のご両親は私を受け入れてくれた。
高校2年の終わりに部活で何かあったみたいだけど、きっといい仲間に恵まれたのであろう、高校3年生になった旭は部活に復帰して、これまで以上に部活に打ち込んだ。少し寂しい気持ちもあったけど、本当に楽しそうにバレーをしている旭を見るのはすごく楽しかった。
そして、高校3年生の秋。
就職予定の旭は部活を続けながら就職活動も頑張っていた。
そんなある日、私の部屋へ泊りに来ていた旭がいきなりこんな事を言ってきた。
「俺ももう高3だし、俺が卒業して就職したらさ…けっ、結婚しないか?」
そんな旭に、社会人1年目で女を養おうなんて甘い!と言うと、
旭は残念そうに、ダメかぁ。とため息を吐いた。
彼の気持ちに嘘はないだろうし、そう言ってくれるは本当に嬉しかった。