第3章 じゅぎょうにようこそ

この世界には、大きく分けて五つの大陸がある。


まずはサキ達がいる場所、王都がある大陸フォースブラッド。

年間を通して比較的温暖な気候。此処では動植物が良く育つため、農産業や畜産業が発達している。
また国王の政策の成果により貿易も盛んであるため、王都などの中心部は多くの人が訪れ賑わっているようだ。
しかし、一見豊かであるように見えるが、貧富の差が激しいためにあまり治安が良いとは言えない。
特に、王都の南部にはスラム街があり盗難の被害に遭う者も決して少なくはない。


次に、フォースブラッドの北に位置する大陸フロートティアーズ。

一年の殆どが雪と氷に覆われた極寒の大地では、厳しい寒さの影響で針葉樹以外の植物が芽吹くことはない。
そのため薪や燃料、穀類などが不足しがちであり、その半数以上を他大陸からの輸入に頼っている。
一方、沖に出れば質の良い海産資源が豊富に捕れるため、上質な魚介類やその加工品などを輸出する事により貿易が成り立っている。
また、雪解け水は価値が高く、他の大陸でも調理用水や飲料水として重宝されている。


三つ目はフォースブラッドの南側にある大陸、フレイムデザート。

一年中気温が高く、大地の殆どは砂漠になってしまっている。
数少ないオアシスの周囲には大小様々な村や町、集落などが形成されている。
更にその周りには鉱山があり、熱に強く純度の高い鉄や大粒の宝石類が採れることで有名である。
なお乾燥している大地であるが故に、水そのものや水分を多く含む果実などの食料は金やダイヤモンドよりも価値があり貴重であるとされている。
しばしば水を巡る諍いが起きる事もあるようだ。


フローズンティアーズとフレイムデザートはそれぞれの一部分がフォースブラッドと陸続きになっており、境目ははっきりしていない。


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