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エッチな声のお勉強

第19章 旅行


「こんなドキドキすることばっかり……困るよ……」

恥ずかしくて上擦ってしまった声で反論する私に、涼しい声で言うユウト。

「朝からお預けくらってるから、意地悪でもしないと夜まで待てないよ」

勝手に夜への期待が膨らんで、よけいに頬が熱くなる。
もうっ……私、日の高いうちから何考えてんの……。

ユウトの目が細くなって笑いを噛み殺してる。恥ずかしい……。

ショーが終わってその場を離れる子どもたちの一人が、「仮面レンジャーのお兄ちゃん!?」と目を丸くした。

後ろから慌てた様子で母親らしき人が振り返り、ユウトに気付いて息を飲んだ。

「こんにちは。いつも応援してくれてるのかな?どうもありがとう!
今日は変身して悪者をやっつけるから、応援してくれよな!」

ユウトは仕事モードな笑顔になり、しゃがんで男の子と視線を合わせる。

ユウトの言葉に興奮した男の子と握手をし、母親に頭を下げて私の方を振り返った。

「行こうか」

「……あ、失礼します」

私のことは無視して行くのかと思って他人のふりをするつもりだったのに、私は驚いてユウトを見つめてから、母親に頭を下げる。

二人で歩きながら、私は小声でユウトに話しかけた。

「こんなとこ見られて、いいの?」

「何で?仮面レンジャーも彼女とデートするでしょ」

左に見えるユウトの横顔が眩しい。
この台詞、私たちが再会した日にも言ってくれたよね。覚えてるのかな。
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