• テキストサイズ

エッチな声のお勉強

第19章 旅行


「チェックアウト間に合わなくなるよ!
早くシャワー浴びてきて!!」

ホックを外そうとしたユウトを両手で押し退けて、そのまま回れ右をさせてバスルームに押し込んだ。

「えーっ!美月ちゃーん!!」

甘ったれた情けない声が響いてくるけど、無視無視。

気を取り直して化粧を始める。





JRで太秦駅まで行って、少し歩くと小さな入口が見えた。
『映画村』っていう看板と、時代がかった瓦屋根に真っ白な壁。

一度行ってみたいねって、何度か話したことのある場所。
江戸時代の武士や町人に扮した人たちに混じって、忍者の衣装を着た子どもたちが風船の剣を持って走っていく。

「あーっ!!
仮面レンジャーだぁっ!」

幼い高い声に、ユウトの肩がビクンと反応した。……でも、子どもたちの視線は大きなポスターで止まっている。

ポスターには『本日、11時よりプリケアショー。12時から仮面レンジャーショー』
と飛び出すような文字が浮かんでいた。

「仮面レンジャーショーか……。ショーの間は、子どもに見つかるわけにはいかないね」

キャップを深く被り直しながら、小さな声で呟くユウト。

今や子どもたちと、ママたちの憧れ。私なんかとデートしてていいのかなぁ……。

考えないようにしていた不安な気持ちが、急に膨らんでくる。
/ 121ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp