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僕の小説のモデルになってください

第7章 僕には似合うね


「みなみ」

藍田くん家の最寄り駅のホームに私は降りる。

待っていた彼が私の名前を呼ぶ。

「お待たせ」

私はにっこり微笑む。

「ううん。可愛いね。今日もみなみは」

彼も私の手を握って微笑む。

私たちはいつものように、彼の家までの道を、手を繋いで歩く。

「今日、やっぱり学校から一緒に帰ればよかった」

「どうして? こういうの楽しくない?」

「帰りの道で川口くんに会ったの」

「へぇ…」

「それで話しかけられたから。藍田くんと一緒だったらそんなことなかっただろうし」

「話ぐらいしてあげたら?」

彼が底意地悪そうな微笑みを浮かべる。

私は答える。

「話しながら駅まで歩いたよ」

「ふぅん…。まだ好きとでも言われたの?」

「……」

相変わらず気持ち悪いくらい察しがいい。

「そっか。そうなんだ。それでみなみ、どうするの? 川口と付き合うの?」

「は? どういう意味? わたしと川口くんが付き合えばいいと思うの?」

私はちょっと問い詰めるみたいな口調になる。

彼は私の顔を見る。

そして言う。

「いいっていうか…仕方ないと思うよ」

……。

「わたし帰る。離して」

彼の手を振りほどこうとするけど、ギュッと握られる。

「だめ。おいで」

彼は私の手を握って引っ張っていく。

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