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僕の小説のモデルになってください

第1章 初恋


半年前、高校に入学したばかりのとき。

うちの高校は6月に体育祭がある。

その準備をする体育祭実行委員に私は立候補した。

友達がほとんどいないこの高校で、知り合いが少しでも出来たらいいなと思って。

同じクラスから立候補した男子が藍田くんだった。

「よろしく。藍田くん」

最初の実行委員会の集まりで、隣に座った彼に、私は挨拶する。

「よろしく」

彼はにっこり微笑む。

私はほんの少しドキッとした。

教室で見る藍田くんはよく一人で本を読んでた。

そんなふうに優しく微笑む彼を初めて見たから。

そしてそれは私にはとても美しく見えたから。

……

その日、私たちは一緒に下校した。

帰り道を歩きながら私たちは少しずつ話をした。

私の部活、バスケ部のこと。
中学のこと。
高校の勉強の話。
クラスの話。

少しずつ、いろいろ。

藍田くんって真面目で静かな人だと思ってたけど、意外と気軽に話せた。

「どうして実行委員に立候補したの?」

彼に尋ねられる。

「わたし体育好きだし、それに…友達出来たらいいなと思って」

私は答える。

「僕と友達になる?」

彼はにっこり微笑む。

私はまた少しドキッとする。

「うん」

多分ぎこちない笑顔で私は頷いた。

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