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僕の小説のモデルになってください

第4章 一生、忘れない


夜、私は自分のベッドで仰向けに寝転ぶ。

今夜もかかってくるのかな。藍田くんの電話。

なんだか今日は話したくないな…。

ファーストキス…した…

わたし、藍田くんに「男女のことを教えて」って言われたとき、
記念にキスぐらいしちゃってもいいかなって思ってた。

でも…いきなり舌いれられるとは思ってなかったな…。

それも、あんなエロい感じで。

はぁ…

デートとかしても思ったより切ないし…。

こんなこと、引き受けないほうがよかったのかな…。

プルル…

着信…藍田くん…

……。

明日の朝、「ごめん、寝てた」ってメッセすればいいか…。

私は枕の下にスマホを隠す。

(プルル…プルル…)

……。

ガバッ

「もしもし…」

『もしもし。もしかして…寝てた?』

「う…ん。ちょっとウトウトしてただけ」

『そっか。ごめんね。テスト前だからまだ勉強してるかなと思ったんだけど…』

「ふふっ…藍田くんは勉強してたの?」

『うん。でも疲れたからさ、みなみに癒してもらいたかったんだ』

「ふーん…」

『ねぇ、何かしゃべってよ。みなみ』

「えー? どんなこと?」

『何でもいい。みなみの声が聞きたいんだ』

「うん…。わたしね、悩んでる。
わたしの好きな人はね、わたしじゃない人が好きみたい。
でもね、わたし今日その人とキスしちゃった。
しかも初めてなのに、舌までいれられたの」

『ふふ…』

「ねぇ、どう思う?」

『うーん…たいした問題じゃないんじゃないかな?』

「えっ」

『だめ?』

「ふふっ…いいのかな」

『うん。いいよ』

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