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ありきたりな設定とイケメンのちょっと普通じゃない話

第1章 突風


「宴ダァーー!」

「リン飲んでるかー?」

「そこそこ」

歓迎の宴だということで盛り上がっている男達。
夜も深いがまだまだ寝る様子は見受けられない。

「おらおらもっとのめーい!」

「男だろー!!もっとのめー!!」

「いやだからそんな飲めないって…お、男⁈」

突然の単語に耳を疑う。

「え、お前男じゃねーのか?」

「…男だと思ってたの?」

クルーの大半が頷く中、シャチはゲラゲラと笑い、ペンギンは肩を震わせていた。

なるほど、さっきの私の情報はこの船でも主要人物しか知らないということなのか。
リンはばさっとずっとかぶっていたフードを取り、黒くて綺麗な肩まである髪が現れる。

「ほれ、男なんて言えなくなっただろ」

「…」

「どうした黙りこくって」

急に黙ってしまったクルー達を見渡す。

「お前、これからずっとそうしてた方がいいぞ」

ペンギンが言う。

「??」

「まぁ深いことは気にすんな!」

「もっと飲め!」

再び騒ぎ出す男たち。
酒を注ごうとしたクルーにチョップをくらわした。

「飲めないわそんなに‼︎」

チョップをお見舞いされたのはシャチだった。

「「強い…‼︎」」





さらに夜が深くなる。
リンはベポの隣に座っていたのだが、その毛ざわりが心地よくてだんだんと眠くなってきたリン。

「ベポは本当にいいしろくまね」

「…おれいま褒められた⁈」

「ん〜よしよし」

すりすりと頬ずりをしたり、撫でたりしていると、いろんなところからブーイングが飛んできた。

「ずりぃぞてめぇ‼︎かわれ‼︎」

「クマなのに‼︎」

「ごめんなさい…」

「「打たれ弱っ‼︎」」

そんな会話をしながら、さっきのことを思い出したアカリ。

「ロー、私の話、聞きたい?」

ローはベポの隣に座っていたので、ずいとベポ越しにはなしかける。

「あァ、話せ」

と、そのとき。ベポとリンの位置が気づけば変わっていて、ベポのお腹にくっついていたのがローの胴体にくっついている形になった。

「???」

状況が飲み込めないリンに、全員が笑った。

「そりゃ船長の能力だぜ、リン」

「能力?」

シャチが得意げに話す。
リンはローの顔を見上げた。

「船長はオペオペの実の能力者なんだ」
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