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いつの間にか非日常

第7章 好敵手(ライバル)


――



『…研磨がいない?』



本日も練習試合のため、徒歩で近くの学校まで移動していた時、事件は起きた。


いつもはあたしの服を引っ張るように着いて来ていた研磨だったが、今日は猫又監督と直井コーチに昨日の謝罪をしていたため、一緒に歩く事が出来なかったのだ。

きっと研磨の事だからスマホでゲームでもしながら歩いて、前を見てなかったんだろう。




犬岡「すいませんすいません!!!俺が後ろもちゃんと確認しながら歩いていれば…」

『気にしなくていいよ。クロ君、宮城の土地勘はあたしが一番だし、ちょっと探してくる』

「俺も行く」

『え、大丈夫だよ。クロ君は主将でしょ?残って指示とか挨拶とかしなきゃ』

「いいから行くぞ」




それからクロ君は研磨の生きそうな場所を教えてくれた。

さすが幼馴染、いくらあたしが研磨と仲良くなっても過ごした時間に勝るものはない。悔しいけど完敗だ。


あたしはクロ君の話を聞きながら、研磨に電話をかけていた。ゲームをしているなら、スマホを手に持ってるはず。




『あ、研磨?今どこ?』

―「…迷った」

『うん。今から迎えに行くから、何か特徴になる目印とか近くにない?』

―「うーん…分からないから写真撮って送る」




研磨から送られてきた写真は、特に目立つものもない普通の風景写真。

正直、これだけじゃどこか分からない。




「分かるか?」

『うーん…とりあえず高台っぽいとこにあるのは分かるし、研磨のマイペースさも加えると思い当たるのは1か所かな』

「っし、早いトコ行くぞ。軽く走れるか?」

『いけるとこまで頑張る!』







(研磨を探して三千里!!!)


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