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フルーツポンチ【Mr.FULLSWING!!】

第2章 一山いくらの林檎 後


「土井さん?」
牛尾の呼び掛けにゆっくり目を開ける。牛尾があたしの顔を覗き込んでいた。
「眠いのかい?」
あたしが目を閉じて勝手に脳内で話を進めていたせいで、端から見れば意識が飛んでいたように見えたらしい。
「そんなことなーい。」
嘘。気だるくて瞼が重い。照明が眩しい。というか酔いでぼーっとする。
「僕の家、研究室の飲み会なんかにも使われるんだけど、居心地いいってよく言われるんだよね。」
苦笑する牛尾にその通りと同意の頷きを返しておいた。
部屋は綺麗だしクッションは気持ちいいし、リビングは広いし何だかいい匂いがするし、本当にこの部屋は居心地がいい。
そこに美味しい紅茶なんて出て来たら、そりゃあリラックスもしますよね。


牛尾が壁にかけられた時計を見上げる。
「もうこんな時間か。」
「何時?」
「2時半。」
あたしもよっこいしょと寝返りを打って時計を見上げる。確かに2時半近い時間を示していた。
時間が経つのは思ったより早いようだ。なのに話が尽きたとか飽きたとか、そういった感情は1つも湧いてこない。まぁ、体は正直に疲れているかな?
「2時半なんて、そりゃあゴロゴロしたくもなるよねー。」
「だね。」
牛尾もゴロゴロしたくなったのか、テーブルに突っ伏すように体を預けた。


まったりとした空気が2人を包んだ。
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