• テキストサイズ

HPB小説

第1章 【君が生まれたことに感謝をして】


及「しーろちゃんっ!」
『ひょわっ!?』

いきなり背後から目隠しをされ、
驚いてすごい声が出てしまった…
目隠しをしてきたのは、恋人の及川徹

『ちょ、徹くん、びっくりさせないで…』
及「あ、ごめんね〜」

謝る気があるのかないのかわからない返事
未だ外されない目隠し

『と、徹くん?前が見えないんだけど…』

そう問いかけると、外される大きな手
しばし目をパチパチさせていると
目の前に差し出される"何か"

『…?…!!こ、これ…』
及「ふっふっふー、しろちゃん、
誕生日おめでとう!!!!』

そこには色とりどりの花の束を持った徹くんがいた。確かに、今日は朝からメール受信音がやたら鳴っていたなぁと頭の片隅で考える

及「しろちゃん、びっくりした?」
『っ、う、ん…』

まるで、いたずらが成功した子供のように笑う徹くん。その笑顔が直視できなくて、俯いた

及「あっ、あれ?しろちゃーん?」

花束を机に置き、隣に座る彼
優しく背中を撫でられるともう止まらない涙

『っ、っあ、りがとっ』

それだけ言うのが精一杯

及「....」
『え…』

ふいに抱き締められる体
驚きに涙が止まる

及「え、と…、いや、かな?」

ぎこちなく撫でられる頭
こんなに消極的な彼は初めて見た

及「俺、さ、自分で言うのもなんだけど、モテるから、色んな子と付き合った事あるんだよね」

ぽつぽつと語られる本音
私はただぎゅっと背中に手を回した

及「だから、女のコの扱いは、慣れてるはずだった…。でも、君はそう簡単にはいかなくて、なんというか…」

そこで止まった話
回した手から伝わる彼の背中の震え
大丈夫だときつく抱きしめ返す

及「っ、こんなに惚れた子は、初めてで…、柄にもなく、なにしたら笑顔になってくれるのかなとか、考えちゃって、ね…。はは、俺らしくないかな」
『そんなこと、ないよ。徹くんは徹くんだから、らしい、らしくないは関係ないよ』

抱きしめたまま動かぬ二人
先に話し出したのは及川だった

及「....しろちゃん、ありがとう…」
『???なんで、お礼....?』
及「俺を選んでくれて、ありがとう。
そして、生まれてきてくれて、ありがとう」
『っっ!!!!…徹くん、今日は側に居てね…』
及「うん」

涙の溢れた瞼にキスをくれる徹くん

一番のプレゼントは

君からの甘いキス♪
/ 3ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp