第82章 ズルいも同じ

「…はぁっ、…モブリト、
脈略なくするの、ビックリする…から…」


モブリットに唐突に唇を奪われ、
何度も繰り返しキスを落とされた末、
息がし辛くなる程の恍惚感に襲われる。


……モブリットはキスが上手すぎる。


濃厚に舌を絡め合う訳じゃないのに、
優しく穏やかなままで
こっちをその気にさせるキスが特に。





「……いや、凛も十分ズルいからね？」


「ん？」


モブリットの顔を覗き込むと、
何故かほんのり耳元を赤く染めていて、
予想外の反応に目を見張る。




「そんな顔、誰にでも見せたらダメだよ。」


「……どんな顔してた？」


「……言葉で表せないくらい、いやらしい顔。」


スッと視線を逸らされ、
思わず自分の顔に手を当てた。