第78章 転生でも、そうでなくても、

「……かなりいいところだったのに、
そんな話を聞かされたせいで、
急に我に返ったじゃないか。」


「ほんとだね。
確かに言うタイミング悪かったかも。」


だけど突然あの言葉が脳裏を奔り抜け、
言わずにはいられなかったのが現状だった。




「お前はあのまま続けてもいいと
思っていたのか？」


「……ダメだとは思ったけど、
抗うのも無理だと思った。」


「俺が強引だったからか？」


「ううん。
……うまく言えないけど、逆らえなかった。
身体は拒否しないと、って思ってたけど、
感情が付いて行かなかった。」


「それはまだ、あっちの世界のミケに
未練があるからか？」


「未練はないよ。」


思わず即答する。

語調が強くなってしまったが、
それも仕方ないだろう。