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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第76章 過去と今の差し替え



「まぁ匂いなんかは
俺にしか分からないだろうが、
お前がここに来てから、
モブリットもよく笑うようになった。」

「モブリットって
そんなに笑わない人だったの?」

「いや、普通に笑う。
だが、そう見せているだけで、
笑ってない時もよくあった。」


「ミケ、よく見てるね……」

「団員たちの様子を観察して、
調子を把握するのも俺の仕事の一つだ。
この間の調査だって、
モブリットが怪我をせず参加できていれば、
もっと円滑に進んだはずだ。
それくらい最近のあいつの調子は
良かったからな。」


突然見せた幹部としての表情は、
とても勇ましく見える。



「だからお前がモブリットの恋人なら、
それはモブリットにとって
良いことだと思ったんだ。」


「……あの、そう言えば
否定し忘れてたんだけど、
私、モブリットの恋人ではない。」

「は?お前、恋人でもないのに
部屋の前で堂々と抱き合ってたのか?」

「堂々とではないよ!
反射的に、というか、自然現象と言うか……」


あの時の自分の心境を言葉に表すのは難しい。

ミケの訝しげな視線を感じながら
小さく唸った。

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