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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第65章 眠れない夜は





「……ちょっと、スッキリ、した。」


モブリットの服がびしょ濡れになった頃、
ようやく落ち着いてきた涙を袖で拭きながら、
モブリットに背中を向ける。


まだ喉元がヒクヒクと痙攣していて、
うまく話せそうにない。




「ごめん、モブリット、服、びしょびしょ……」


「大丈夫。こんなの可愛いもんだよ。」


後ろから強く抱き寄せられ、
再びモブリットの匂いに包まれた。




「……泣きすぎて、
逆に寝れるか、不安に、なるね……」


「まぁ、それだけ泣いたら
しばらくは眠れないだろうね。」


ですよね……

心の中で返事をしながら、
触らなくても分かってしまうような
大そうな腫れ方をした目に、
恐る恐る触れてみる。


これは明日に引き摺りそうだなぁ……


そう思った時、
モブリットの温もりが遠ざかった。




「モブリット?」


こんな顔は見せられないし、
後ろを向いたまま声を掛ける。



「ちょっと待ってて。」


モブリットの声は一旦離れていくが、
すぐに戻って来て、
それと同時に目元に冷たい感触が落ちてきた。

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