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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第40章 好きの種類



「……モブリット。」


「ん?」


不意に凛に顔を覗き込まれ、
視線を上げる。


凛は結構飲むペースが
速いように思っていたが、
顔色はいつもと変わらない。

きっと元の世界でも
酒には強い方だったんだろう。




「あれ、師団長は?」


「さっきお手洗いに行った。」


凛はそう言ってすぐ、
モブリットの正面の席から隣の席に移った。




「……どうかした?
師団長に横から変な事されてない?」


席移動の真意を追及するかのように
つい問い詰めると、
凛の吹き出す声が耳を掠める。

甘い酒を飲んでいたからだろうか。

ベリー系の匂いが鼻先を擽った。




「モブリットも心配性だね。」


「当たり前だろう。
師団長がいくら既婚者だって、
気を許しすぎるのは危ないからね。」


師団長にこの話を聞かれてやしないかと、
少し周りに視線を配る。



「大丈夫。
ナイルは本当に
奥さん想いの人だと思うから。」


凛が何を根拠にそんなことを
自信満々に言っているのかは分からないが、
師団長との関係は
凛の方が明らかに深いだろう。


それでも、団長が警戒していた以上、
その事実に目を瞑る訳にはいかない。



凛はどうやって
師団長のような気難しそうな相手にでも
心を許してもらうことが出来たのだろう。



その時、個室のドアが開いたと同時に、
凛は席を立ち、
替わりに師団長がモブリットの正面に座った。

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