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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第30章 女慣れした新たな仲間



対人格闘の訓練にも
少しだけ参加させてもらったことはあったが、
もう殆ど覚えていないし、それ以前に
まるでセンスがなかった記憶しかない。


「エルド……ごめん。
全然相手にならないと思うけど」

「“やってるフリ”も兵長に
見抜かれる可能性はありますけど、
やらないよりはマシだと。」


凛の声を遮ったエルドは、
一瞬リヴァイの方に目を向けたかと思うと、
次の瞬間には凛の首の横・脇の下に腕を入れ、
首を固定するように頸動脈を圧迫した。


「……っ」

呼吸が寸断され、凛の顔は瞬間的に歪む。


「すいません。
これ、絞め技なんで
結構苦しいと思うんですけど、
この態勢じゃないと顔見られる可能性あって、」

エルドはそこまで言って、少し首の圧迫を解き、
その隙に凛はすかさず酸素を確保する。



「はぁっ、……だっ、大丈夫。」

掠れた声で大丈夫だと言っても
信じてもらえないだろうな、と思いつつ、

「これって抵抗した方がいいよね?」

と、身体を揺らし始めた。

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