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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第150章 気遣いの出所



「……範司の気遣いが大人すぎて怖い。」

「なに、前の私はそんなに気遣いの出来ない大人だったの?」

「いや……そんなこともない…かな?」

「ははは、曖昧な答え方だね。」


曖昧な答え方になってしまうのも無理はない。


私の知っている“範司”は、気遣いが出来ない、と言うより、凄まじく自由奔放だった筈だ。

それを上手くフォローしているのが火口君だったんだろう。

そう思うと、火口君の存在がなくなった今、範司自身が自分をきちんとコントロールできているのかも知れない。



「なんか不思議な感じがする。
やっぱり火口君が範司の側に居ないからかな。」

「また出たよ、“火口君”。
ほんと、早く彼に出会いたいんだけどね。」

「うーん。でも火口君は範司と出会わなかったことで、のびのびと生活できてるかも知れないから、このまま出会わない方がいいのかも。」

「うわ、また失礼なこと言って!」


私の冗談めかした発言を聞いて、範司は声を上げて笑い出すが、取り敢えずそういうことだから!と手短に会話を切り上げられ、電話はすぐに切られた。

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