第149章 ●見透かされた我儘

唇に縋るようなキスを落としながら、すかさず陰茎に手を伸ばす。

まだ膨らみ切ったままのモノを片手で包み込むと、エルヴィンの吐息が口内に零れた。


タイムスリップしてきたエルヴィンの方が、確実に私より身体が疼いていた筈だ。

それなのにこっちの快感ばかりを引き出そうとしてくるエルヴィンに、愛おしさのような感情が込み上げない筈がない。


少しでも早く楽にしてあげたい。

その一心でエルヴィンの膝から降り、陰茎を口に含むとほぼ同時に、生暖かい液体が口内から溢れた。



「……すまない、限界…だった、」

「びっくりした……
エルヴィン、どれだけ我慢してたの？」


エルヴィンらしからぬ、まさかのタイミングの射精に、驚きが隠しきれない。

タイムスリップの影響だろうか。
フェラにここまで弱いエルヴィンは、新鮮でしかない。


明らかに落胆したような表情を浮かべ、手を顔で覆おうとしているエルヴィンの腕を咄嗟に掴む。



「気持ち良かった？」

「……ああ。」

「キスマーク付けられてる時から、限界近かったの？」

「……そうだね。」


もう質問しないでくれ、とでも言いたげな恥ずかしそうな表情にそそられ、自分の口の端から零れ出た精液を、見せつけるように舌で舐め取る。

それだけでエルヴィンの瞳は揺らぎ、陰茎は再び膨らみを取り戻しつつあった。



「大丈夫。
もっと気持ち良くさせるね。」


これなら視覚からの刺激だけでも、イかせることが出来るんじゃないだろうか。

また自分の加虐心に火が灯る。



「……凛、お手柔らかに頼むよ。」


私の心情を読み取っているかのような一言に、思わず吹き出してしまうが、またすぐに逞しいモノを手中で弄び始めた。