第137章 大切な時間

エルヴィンもリヴァイと同じように、私がこの世界に来てから、ますます私を意図して笑わせてくれるようになった。


自分ではそんなつもりはなかったけど、もしかしたら不安気な顔をしていたこともあったのかも知れない。

特に今は、本当に不安ばかりが込み上げているから、エルヴィンの心遣いは素直に嬉しかった。

それぞれの優しい想いに包まれて、感謝の言葉しか浮かびそうにない。



「エルヴィン、ありがとうね。」

「……そうやって改めて言われると、別れの言葉の様に聞こえるからやめてくれ。」

「そんなつもりはなかったんだけど……
確かにこのタイミングだと、そう思うか。」

「ああ。
礼なら君が元の世界に戻らなくて済んでから聞くよ。」


頭を撫でられながら、目を瞑って小さく深呼吸をする。



「……まだ眠くはなってないか？」

「うん。大丈夫。
起きてる時でも、たまにフッと眠くなることがあるけど、今日はそんな風にもならないみたい。」

「……一体何がきっかけなんだろうね。」


憂い気な声を聞き、そっと目を開けると、碧い瞳も同じタイミングで開いた。