第137章 大切な時間
「凛、遅くなって悪かった。」
ベッド横の椅子に腰かけ、すぐに握られたリヴァイの手は冷たく、微かに濡れていた。
「大丈夫。言ってもまだ昼過ぎだからね。」
「だが次のエルヴィンの番が終われば、また最初の順番でお前との面会を繰り返す予定だからな。」
「そうだったの?」
「ああ。
だから今頃エルヴィンは悶々としてるんじゃねぇか?」
「ははは、どうなんだろうね。」
曖昧に答えつつ、空いているもう片方の手で、リヴァイの手を包み込む。
手の甲はもっと湿っている気がして、ふと窓の外に目をやった。
「外、結構雨降ってる?」
「それなりにな。
基地に着く直前に降り始めた。」
「濡れたらちゃんと拭いた方がいいよ。
髪もちょっと濡れてるし。」
いつものリヴァイなら、少しでも雨に打たれればすぐに服を着替え、髪もよく乾かしていた。
それをする間もなく急いで部屋に来てくれたことが見て取れて、どうしても嬉しい気持ちが込み上げてきた。