• テキストサイズ

君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第137章 大切な時間



「……でも、ごめん。
凛を他の男に取られたくない、とも思ってる。
かなり矛盾してるよな……
今の状況だって、凛は俺の恋人って訳でもないのに。」

「そんなの、私だって思ってるよ。」


当然かのように即答され、思わず目を丸くする。



「今だってこんなに束縛したがってるのに、元の世界に戻ったからって、すぐ切り替えれる訳ないでしょ。」


凛の頭が、胸元に押し付けられる。

声色は軽く笑っているようなのに、どうしても泣いているように聞こえた。




「……でも、私は自意識過剰な上に臆病者だからね。
モブリットをずっと束縛しておくのも怖い。
私がいなくなったせいで、モブリットがずっと落ち込んだままだったら……なんて考えたら、怖くて。
それなら嫌でも今のうちに、モブリットに恋人を作って欲しいって言っておこうって思って。」

なかなかズルイ考え方でしょう?と困ったように笑う凛を、力強く抱きしめた。




「……本当に、君はズルいよ。」


この鷲掴みにされている心を、掴んでいる本人がいなくなったからって、他の誰かが解放できるとは全く思えない。

淋しさを埋めようと、他の誰かを抱いたとしても、逆に虚無感が広がって虚しくなるだけなことだって、想像に容易い。



……こんなに想っているのに、何故離れなければいけないんだ。



どんな形でも、彼女の側に居たい。

俺が、彼女を幸せにしたい。





「凛、しつこくてごめん、」

「……ん?」


「愛してる。君を、ずっと愛してる。」



こんな言葉、今の凛は望んでいない。

そんなことは分かってる。


それでも今、これを言わないでいられる理性は残っていなかった。


/ 1588ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp