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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第130章 初めての言葉と感覚を





「……相変わらず、お前はやるとすぐ寝るな。」


思わずそう呟きながら、凛の髪を撫でる。


凛は俺に腕枕された状態で、小さく寝息を立てていた。



事が終わって、暫くもしないうちに、凛は突然糸が切れたように眠りに落ちた。

こうなってしまうと、ある程度の時間は起きないだろう。



これは凛がこの世界に来てからの現象だ。


仕事で疲れているから眠りに落ちるのも早いのだろうと思っていたが、タイムスリップして来たことが影響している可能性が大きいことが最近になって分かり、内心焦っていた。



もし凛が元の世界へ戻らなければいけないような状況になったら……


そんな考えが少し頭を過るだけで、どうしようもない焦燥感に襲われる。



凛をあっちの世界へ戻すことに不安が全くない訳ではないが、それについては大丈夫だろうという殆ど確信に近い予感はあった。


今この世界でこれだけ逞しく成長した凛が、元の世界へ戻ったことで、また死を考えることはないだろう。

調査兵団で働いたことで、命の儚さも死の恐怖も、痛い程感じたはずだ。

その上、ますます魅力的になった凛には、まともな男もきっと大勢寄ってくる。


凛はもう、どの世界でも通用するような、人の心を惹きつけることのできる女になっている。




……問題は自分の方だ。



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