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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第128章 千丈の堤も蟻の穴より崩れる



「リヴァイ、」

「何だ?」


「私、本当にこの世界に居ていいと思う?」


凛の問いに、思わずため息が零れる。



「お前な……
この世界にお前がいない方がいいなんて、
俺が考えると思ったか?」


「……思わない、けど、私がいなければ、
今日みたいな問題も起きなかったし、
これからだってそんな問題を危惧する必要は
なくなると思わない?」

「お前は俺に、
“元の世界へ戻れ”と言って欲しいのか?」


問いを重ねると、凛は一瞬口を噤む。


凛が言葉を発する前に、
小さく息を吸い込んだ。



「お前がいくら俺にそう言えと思っていても、
俺は絶対に言わない。
思ってもいないことは
口に出せない性分だからな。」


事実を述べながら、
視線が合いそうにない凛をまた強く抱きしめ、
再び口を開く。



「いいか。
今日あったことはお前のせいでもないし、
大した問題でもない。
……いや、
お前に恐怖心を覚えさせたのは問題だが、
お前が元の世界へ戻るべきだと思う
要因になる程のことじゃねぇよ。」

「でも、もしかしたら
私がこの世界に来たことで、
この世界の歴史も、
色々変えてるのかも知れない。」

「そうか。
それは喜ばしいことじゃねぇか。」


「……喜ばしいこと?」


「お前が俺や兵団に与えた活力や知識のお蔭で、巨人殲滅が早まるだろう。
それくらい、お前がここに居ることには意味がある。」



自然と口調が強くなる。


凛にこの気持ちを、事実を、
分かってもらいたい、
分かってもらわなければならない、
その思いが語調に表れているようだった。

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